TOPJOURNAL MY LIFE ON WHEELS #1

MY LIFE ON WHEELS #1

 

 

MY LIFE ON WHEELS #1

 

車にまつわるさまざまなことに向き合うGORDON MILLERチームのメンバー。それぞれが自らの愛車や日々送っているカーライフからインスピレーションを受けながら活動を行なっています。車に求めるものや好むスタイルはメンバーによって千差万別。それらが混じり合うことで、GORDON MILLERのさまざまなアウトプットに結びついています。
そこで、この連載ではGORDON MILLERチームのメンバーやゆかりのある人々の車とスタイルの片鱗をお伝えしていきます。

第1回目は、95年式 NISSAN テラノに乗る GORDON MILLERのディレクター 猿渡(えんど)へのインタビュー。

 

 


 

 

自分の一部としてシンパシーを感じられる存在

 

 

 

 

– まず、この車を選んだ理由をお聞かせください

 

パジェロミニからの乗り換えでもう少し大きい四駆をいろいろと探していた中、ニューヨークにいる友人が「Pathfinder(テラノの米国名)にするべきだ」とすすめてきたのが最初でした。他にも候補はあったのですがどうやら彼にとっては小さい頃からの憧れの車らしくかなり強く推されたので、自分もテラノに傾いていきました。実際ニューヨークに行った際にも走っているのを何台も見ましたし、向こうではいまだに現役のポピュラーな存在なんですね。
ということで状態の良い個体をしばらく探し、出会ったのがこの車です。中身の調子はよかったのですがエクステリアは傷みがひどく、購入する時点で全塗装やリアタイヤ、バイザー等の撤去をあわせてお願いしました。

 

– 同じ系統の車が多々あると思いますが、テラノに魅力を感じる部分はどこなんでしょうか。

 

もちろん友人のすすめというのは大きいですが、一番は「主役じゃなさ」みたいなところに心地よさというか、自分と共通のなにかを感じたことかもしれません。国産でも横を見ればランドクルーザーやパジェロといった時代の主役として名を馳せた車が数多くあるなかで、テラノは魅力的な車ながらどこか主役じゃないポジションな印象があって、そこに魅力を感じています。どうも、自分が裏方の人間なので、主役感のある車種を運転しているさまが想像できないんです。
こんなに脇役扱いのような言い方をするとテラノやテラノファンの方々に失礼かもしれませんが、きっとこの感覚は伝わるんじゃないでしょうか(笑)。
車は自分の体の一部とも言える存在。シンパシーを感じられるものを選んでしまうんですね、おそらく。

 

 

 

 

– 95年式ということで、年代も近いですよね。

 

はい、自分と同年代の車というところにも親近感が湧きます。昔は両親の知人が乗っていたりもして、あくまで実用の車の域を出ていないリアルさを感じられる年式かなと思います。
とはいえ新しい車ではないので不安なところもあるのですが、GORDON MILLERには百戦錬磨の整備隊長もおられるので、何かあれば
すぐに相談しています。頼もしいですよ。

 

 


 

 

車に合うもの、選ぶ理由があるもの。

 

– この車に乗って何をすることが多いですか?

 

実際、ほぼ毎日乗っているので何をするにも一緒という感覚です。仕事で動くのも、休日に海に行くのもこの車でというのがほとんどなので、生活すべてがという感じでしょうか。

 

 

 

 

– 長い距離を運転することもよくあるんでしょうか。

 

ありますね。先日、急に2連休ができたときには、思い立ってノープランのまま伊勢に行きました。そのくらいの距離感であればまったく気後れしないというか、近くの外出とあまり感覚は変わらないです。
その自由さは車の良さでもありますよね。移動中は楽にできますし、旅先の細かい移動もしやすいですし。

 

– 移動中は楽、なんですね。運転があまり苦ではないと。

 

もちろん体調や疲れ具合にもよるとは思いますが、基本的に苦ではないです。好きな音楽を流して、進みたいだけ進んで疲れたら休んで、というのができる移動手段は車だけですしね。それに、自分の車の運転席に座るととにかく落ち着くんです。いまだに座った瞬間はいい気持ちになりますし、旅先の駐車場で自分の車を見たらいまでも少し、おっ、という気分になりますから、そういう意味でも苦にならないですね。

 

 

 

 

– 荷物やインテリアの類もさまざま載っていますが、なにかルールなどはあるのでしょうか。

 

ルールというほどではないですが、選ぶ時にこの車に合うかなとは一度考えていると思います。それは単に色や形だけではなくて、古さの感じや由縁の部分だったりします。
例えばクーラーボックスは【PELICAN】のものを大概積みっぱなしにしていますが、確かにこのTANという色は車体に合っていますがそれ以上に、カリフォルニアのトーランス発祥でMADE IN USAというのが同じカリフォルニアのデザインセンターに由縁を持つテラノと合うような気がしていて。ちょっと偏屈ですけどね。こういう理由で自分はこれを選んでるんだな、と納得できるのが好きなんです。

 

 

 

 

「ウェットスーツやフィンは一式入れっぱなしにしていることが多いです。」

 

 

– GORDON MILLERのアイテムもたくさんお使いのようです。

 

基本的に、車用品に限らず使えるものはひと通り発売後に購入して使っていると思います。もちろん、開発段階でチームの方々と使いやすさやデザインに関しては散々やりとりをしているのですが、答え合わせのような感覚かもしれません。買って使ってみて、やっぱりいいじゃんと思えば友人にも勧められますしね。開発段階には気付かなかった良さに気付けることもあります。
出番が多いのは洗車ツールですね。ブラシやスポンジの種類も多いので、先輩方のアドバイスを聞きながら厳選したアイテムをよく使っています。とはいえ、傷だらけなのにピカピカも変な気がするので大抵は水洗いのみです。

 

 

 

車内のいたるところにあるGORDON MILLERのプロダクト。

 

 

 

 

 

随所に見える泥はねの跡。「洗っても数日経てばすぐこうなっちゃうんです。」

 

 


 

 

若者の車離れと言われる時代に、車に乗る若者として

 

– GORDON MILLERのディレクターという肩書きですが、どのようなことをするのでしょうか。

 

自分は途中から参画することになったのですが、まずはビジョンやコンセプトの明確化などを通したブランドとしての姿の確立をし、それに基づいてブランド全体の一切を統括させていただく立場です。そのほかにも、PR担当としてメディアの方々のご対応やプロモーション関連の施策、グラフィックデザイナーとしてブランドカタログやウェブまわりのデザインもしています。もうすぐリニューアル予定のMOTORSのカタログも今まさに作っています。
あとはイベントに出たり、先日のjournal standard Furnitureさんとのコラボレーションや今後控えている新しい取り組みについても自分が担当して進めています。

 

– 商品の幅が広いので、商品開発も大変そうです。

 

大変そうですよね(笑)。
GORDON MILLERチームでは各カテゴリーに専任の開発担当がいてそれぞれが責任を持って自分の領域の商品をつくる、という体制になっています。これまでのキャリアや好きなものもまったく異なる人生の先輩方が就いておられるので、あまり自分がゼロから商品開発に踏み込むことはないんです。ただ、GORDON MILLERとしてそれを作る意図、であったりコンセプトとの整合性のような部分は、提示しているものに沿ったかたちでうまく咀嚼しアウトプットしていただけるようにしています。開発に際して意見交換や無駄話はとにかくたくさんしていると思いますし、言いたいことは言っています。信頼しているので素直に折れることもよくありますが(笑)。

 

 

 

 

– ビジョンやコンセプトという話がありましたが、GORDON MILLERにとってはどういうものなのでしょうか。

 

元々ガレージライフをベースにした提案で、自分が就いてからもその大枠は変わっていません。一方でものづくりの方向性や提案するスタイルをブラッシュアップしてきています。ガレージから拡張するライフスタイル、を謳っていますが、言葉の通りガレージを中心に内外へ広がるスタイルを総括してガレージライフスタイルと呼ぶのが我々の考え方。ほとんどのものづくりにも「それガレージで使う?」「車で使って不便ない?」という視点が一貫してあり、そこをベースに車自体の提案などにも裾野を広げてきました。
ですがそれらの前提としては、GORDON MILLERを通して車に興味が出たり、車の文化への敷居を低く感じたり、新しい楽しみ方を発見できたり、という人が増えれば幸いというのがあります。そこが大ゴールですね。

 

– 若者の車離れとも言われていますし、車を取り巻く環境は変わってきています。

 

そうですね。若者の車離れ、という点に関しては自分も20代ですし他人事ではない感があります。これの原因を、「最近は車なくても生活できるしね」という生活が便利になったから論で語る節もありますが自分はちょっと違うかなと感じていて。交通網が便利なのは20~30年前とも大差ないですし、地方ではいまも1人1台が当たり前。それでも「車離れ」と言われるのは、車を取り巻くカルチャーの発展やアップデートの機会を逸していて、昔よりもさほど魅力的に見えなくなってしまっているのが原因なんじゃないかと思うんです。若者にとってだけではなく、です。でも我々は車と過ごすライフスタイルの良さや豊かさを知っているし、それがいまの世間に浸透しきっていないことも理解しています。だからこそGORDON MILLERがちゃんとやっていくことで、車のカルチャーの見直しに繋がっていったらいいなと思っています。
実際、優先順位や地位が下がっているとしても、普段車に乗らない友人だっていざ乗れば「楽しい」「車ってやっぱりいいな」と言うんです。やっぱりいいんですよね、根本的には。

 

 

 

 

– 最後に、今後乗りたい車や車とやりたいことを教えてください。

 

まず乗りたい車ですね。憧れの車はもちろんたくさんあります。あるんですけど、いまは先ほど述べたようにいまの車に乗っている理由もあるので、例えば明日車が壊れたとしてもまたテラノを探すと思います。むしろいまはEVコンバートが気になっていて、この車をコンバートしてくれるところはあったりするのかなと時々探し中です。
やりたいことは、ベタですがフェリーに乗ったりしてもっと遠くまで行きたいですね。実際、遠くに行けば行くほどGORDON MILLER MOTORSの良さ、ありがたみを思い出すんですが、それでも自分の肌に馴染んだ車はえも言われぬ魅力がありますね。やっぱり。

 

 


 

 

 

猿渡大輔 | GORDON MILLER ディレクター
ブランド全体の統括のほかグラフィックデザイン、PRなどを担当。

NISSAN テラノ(95年式)

 

 


 

 

photo: Hiromi Uruma